生きることへの執着

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見てこれ。このクシャクシャになった歯磨き粉。

生きてんなぁ。

なんかさ、自分の生きることへの執着を感じるよね。もし「明日死ぬよ!」とかだったらこんな歯磨き粉はもう処分して、新しいパンパンの歯磨き粉使って歯を磨くじゃん?でも明日の私のため、未来の私のために1円でも節約して生きていたくて、この歯磨き粉から中身搾り取って今日も歯を磨くんだよ。

この後コレ切って、中身削ぎ取って使うんだ、私。すげえよな。

みんなはどんな瞬間に「生きてんなぁ」って感じる?

 

 

村上春樹の『ノルウェイの森』を読んだ。

初めて村上春樹の作品を読んだんだけど、読んで良かったなーって思える本だったから、あらすじや感想を書いてみようと思う。

 

あらすじ↓

上巻

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。―限りない喪失と再成を描き新境地を拓いた長編小説。

 下巻

あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと―。あたらしい僕の大学生活はこうして始まった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同級生の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。

 

直子の心の動きが読んでいて苦しいほどに伝わってくるんだよ。

直子と恋人のキズキは幼馴染だったんだけど、直子は『自分が幸せになるためには絶対必要だと信じているもの』を失ってしまったんじゃないかなって。

その「絶対必要だ」は傍から見るとその人の思い込みにも見えるんだけど、誰もがそういう思い込みをして幸せを手に入れるし、それを失ったときには絶望するんだと思うんだよね。

直子を見つめる主人公、キズキを見つめる直子、主人公を見つめる緑。その他にも登場人物たちがそれぞれ誰かを、どこかを見つめながら、そして見つめ合えずに時間が過ぎていく。

 まだ読んだことがない人はぜひ読んでみてほしい!面白かったから。

 

 

今日も読んでくれてありがとう。