事実は小説よりも残酷

面接の結果を知らせる電話がきた。「採用します」って。

10分くらいの面接で経歴についてもほとんど何も聞かれなかった場所からの連絡だった。短時間勤務、週5日未満の勤務を希望しているのに、何も聞かれなかった場所。何も聞かれないのに、「あの、すみません。私鬱病なんですよ」とも言えなくて、何も言えなかった所。

「採用します」って言われたから、「ありがとうございます」って答えた。

「それでですね」って面接の担当とは別の人が電話口で喋ってた。

「どうして週5日未満の勤務希望なんですか」って。面接で聞かれなかったことを聞かれた。

私の中の臆病な私がそれに応えた。

「病気の療養期間があって、仕事をすることへの復帰のために短時間勤務を希望しています」って。鬱病って言えなかった。

「そうなんですね」ってその人が言った。

「教えることにすごく労力を使うんです。すぐに辞められたらその労力が水の泡になるから。塾で先生をしていたあなたなら分かってくれますよね。3年は続けてもらわないと困るんですよ。腰掛け程度に思われたら困る」って。続けて

「3年は続けて欲しいんです。約束してくれますか?」って。圧だった。

はいって答えた。

 

30分後くらいにもう一度連絡があった。その30分間は私にとって絶望だった。

「シフトなんですけれど」って。もうダメだった。

すみません、最初に言うべきだったんですけれど鬱病なんです。仕事を再開するために求職活動をしていました。3年という言葉に。まで言った。

「そうですか」って。

辞退させていただいてもいいですかって気付いたら言ってた。

「そうですか。では」って。

それで終わった。あっけなって思った。

 

私普通に働きたいんだ。普通ってなんだか分からないけど。他のパートさん達と同じように働きたいの。叶えられる?

 

 

恋人に「君は酒に頼り過ぎる節がある」って言われてからお酒は控えてる。頑張ってるよ私。その人には今数カ月に一度連絡を取りながら恋人関係を続けてる。

「会いたい」って言えないけど、私の恋人。

「休職にしましょう」って上司から言ってもらって、そのまま「当日連絡からの長期欠勤は会社として厳しい評価になります」って復職を希望した数日後に即日解雇になった。

1カ月半ぶりに恋人から「会える?」って言われて会った日に「元気になったね」って言われた。抗不安薬と食欲増進の薬と睡眠薬を飲んでとりあえず元気になった私は元気?

浪人しても留年しても頑張って友達作ってきた私は今、アルコールでこの絶望を乗り切ろうとしてるけれど、涙が出る。誰か。アルコールしか私を救ってくれないの

 

パソコンの画面と携帯のYoutubeが私を照らしてる。

明日も「試験を受けたいから勉強教えて」って言ってくれた友達が私の家に来るよ。

 

酔った

ねえ

私にはこういったことを引き当てる力があるのかと思った。でも外れくじしかない箱に手を突っ込んでんのかとも思える。

 

ねえ